はじめに:記憶が飛んでしまう「パートD」の恐怖
Versantスピーキング&リスニングテスト新形式におけるもう一つの鬼門が、パートDの「文章に関する質問(Answer questions about a passage)」です。
ある程度まとまった長さの文章(パッセージ)を聞いた後、その内容に関する3つの質問に順番に答えていく形式です。
ここで多くの日本人が直面する悩みが、「聞いていた時は意味がわかっていたはずなのに、質問が始まった瞬間に内容が頭からスッポリと抜け落ちてしまう…」という現象です。
一言で言えば、英語の「リテンション(短期記憶)」のキャパシティが足りていないことが原因です。この記事では、このリテンションを鍛え、パートDを攻略するためのトレーニング法を紹介します。
なぜ英語だとすぐに忘れてしまうのか?
日本語のニュースを聞いている時は、よほど複雑な内容でない限り数秒前のことを忘れたりしませんよね。では、なぜ英語だと忘れてしまうのでしょうか。
それは、あなたの脳内ワーキングメモリ(作業領域)のほとんどが、「英語の音声認識」と「日本語への翻訳作業」に使われてしまい、「意味を保持する(記憶する)」ためのスペースが残っていないからです。
つまり、リテンションを向上させるための根本的な解決策は、「英語を英語のまま(日本語を介さずに)理解するスピードを極限まで上げる」ことに尽きます。
リテンションを鍛える「イメージ化」トレーニング
英語を英語のまま理解し、かつ記憶に留めるために最も有効な手段が「音声のイメージ化」です。
音声が耳に入ってきた瞬間に、日本語に文字起こしするのではなく、その情景を「映像や写真」として頭の中に思い浮かべるようにしましょう。
例えば、「The manager decided to postpone the meeting until next Friday.(マネージャーは会議を来週の金曜日に延期することを決めた)」という音声を聞いた時、スーツを着たマネージャーがカレンダーの金曜日の欄にペンで書き込んでいる映像を脳内に浮かべます。
人間の脳は、文字の羅列よりも視覚的なイメージの方が圧倒的に記憶に定着しやすい構造を持っています。このイメージ化の訓練をシャドーイング等の際にも意識することで、パートDでの失点を劇的に減らすことができます。