はじめに:「実務担当者」と「マネージャー」の英語力の違い
グローバル企業において、チームリーダーやマネージャーといった管理職層に昇進するためには、多くの場合Versant GSEスコア 59〜75点(CEFR B2レベル)以上の英語力が要件として課されます。
なぜ、管理職にはA2やB1レベルではなく、B2レベル以上の高い英語力が必要なのでしょうか?
それは、管理職の仕事が「決められた作業をこなす」ことから「人(チーム)を動かし、意思決定を行う」ことへとシフトするからです。
単なる業務連絡や現状報告(B1レベル程度で可能)の枠を超え、部下のモチベーションを高めるコーチング、他部署との利害調整、そして経営層への説得力あるプレゼンテーションを行うためには、英語の「ニュアンスの使い分け」や「高度な論理展開」が必須となります。
B2レベルの壁:丁寧さとニュアンスのコントロール
B1レベルの英語は、「I want you to do this.(これをやってほしい)」といった、良くも悪くもストレートでシンプルな表現になりがちです。
しかし、管理職が多国籍のメンバーをマネジメントする際、このような直接的な表現ばかりでは「強引だ」「配慮がない」と不満を持たれ、チームのパフォーマンスを低下させる危険があります。
B2レベルの管理職に必要なのは、「I was wondering if you could help me with this.(これを手伝っていただけないかと思っていたのですが…)」「It might be a good idea to…(〜するのは良いアイデアかもしれません)」といった、助動詞(could/would/might)やクッション言葉を巧みに使いこなし、相手に配慮しながらも確実にこちらの意図を通す「大人のビジネス英語(丁寧さのコントロール)」のスキルです。
Versant パートFで「コーチング・対話力」を磨く
Versantの対策において、管理職層の方が特に意識すべきなのがパートF(意見を述べる)の高度化です。
単に「賛成(I agree)」と言うだけでなく、「Why(なぜその方針が必要なのか)」「How(どうやって実現するのか)」「Risk(懸念されるリスクは何か)」といったビジネス上の重要な観点を、40秒という短い時間内でPREP法を用いて簡潔かつ説得力を持って語る訓練を行いましょう。
このロジカルシンキングと英語表現の融合こそが、グローバルエクセレントなリーダーシップの源泉となります。