はじめに:高い壁の向こう側にいる人々のリアル
Versantのデータや各企業の採用基準を見ていると、ある種の一つの「神話」が存在することに気づきます。
「GSEスコアで58点以上(B2レベル)、ましてやC1レベルの超高得点を叩き出しているのは、結局のところ幼少期に海外生活が長かった『帰国子女』や、数年単位の『長期留学経験者』だけなのではないか?」という疑問(諦め)です。
当ブログを運営し、多くの方のスコアアップを見てきた結論として、それは部分的にYESであり、大部分でNOです。
確かに帰国子女は有利ですが、日本生まれ・日本育ちで、社会人になってからの努力だけでVersant B2(59-75)という「即戦力の壁」を突破した純ジャパ(純ジャパニーズ)のホルダーは確実に存在します。彼らに共通する3つの特徴(マインドセット)を紐解きます。
特徴1:「発音の良さ」ではなく「構文の速さ」で勝負している
帰国子女がFluency(流暢さ)とPronunciation(発音)の天性のセンスでスコアを稼ぐのに対し、純ジャパのB2ホルダーは「Sentence Mastery(文章構文)」と「Vocabulary(語彙)」の圧倒的な正確性とスピードで対抗しています。
彼らの発音は、決してネイティブのようには聞こえません(クリアな日本訛りです)。
しかし、彼らは「Because we have to cut the budget next month, deciding the priority is crucial.」というような、従属接続詞や無生物主語を複雑に絡めた知的な文章を、一切の文法エラー(時制や単複のミス)なく、しかも0.5秒の反射スピードで口から連射することができます。これがAIに「極めて高度な言語運用能力がある」と評価させるメカニズムです。
特徴2:英語の「独り言」を四六時中つぶやいている変人
彼らは、机に向かってテキストを開く勉強をほとんどしていません。
その代わり、通勤の電車内、エレベーターの中、信号待ち、シャワーを浴びている最中など、脳のアイドルタイム(空き時間)があれば、常に「今の状況や感情」を頭の中で(あるいは小声で)英語に翻訳し続けています。「英語回路のスイッチ」が常にONになっているのです。
特徴3:挫折を「データ」として楽しむメンタル
純ジャパがB2に到達するまでには、何度か「スコアが全く上がらない数ヶ月(プラトー)」や「少しスコアが下がるテスト」を経験します。
彼らはそこで「才能がない」と落ち込むのではなく、「今回はパートEの要約で単語が拾えなかったから、Sentence Masteryが1点下がったんだな。よし、来月までは精聴の比率を上げよう」と、自分をゲームのキャラクターのように客観視し、データとして分析して淡々とレベル上げ(日々の特訓)に戻ることができるタフなメンタルを持っています。